CATERPILLAR(キャタピラー) 若松孝二監督
寺島しのぶが最優秀女優賞(銀熊賞)を受賞した「キャタピラー」
中之島公会堂で開催された、試写会と舞台挨拶に行ってきました!!
有料試写会だったのですが、1300円とリーズナブル。
「なんで?」と思いながら行ったのですが、若松監督いわく
「日本の映画は高すぎる!!」とのことで、この価格設定になったそうです。
上映時間は1時間半ほど。ずっと口が開いたままで、閉める事をわすれてしまいました。
試写会が始まる前に、案内役の方が「最後は涙も出ないと思います」と。
たしかに周りで泣いてるお客さんはいなかったし、私も涙は出なかった。
ただ、胸の中に鉛の塊を抱え込んだような、そんな気持ちになりました。
子供の頃(幼稚園くらい)おじいちゃんちの引き出しから、ゲートルを見つけて
「これ何?」と聞きました。薄汚れたカーキ色の帯を不思議に思ったものです。
「これはゲートル、こうして足に巻くんや」と教えてもらったのですが
おじいちゃんがその時、すこし誇らしげだったことはうっすら記憶に残っています。
戦争経験者が身近にいなくなり、戦争はまるで映画の中の作り話のように感じる今日この頃
戦争に対するリアリティーを失った私たち世代には、衝撃の映画でした。
戦争に意味も正義もへたくれもない、主人公のシゲ子(寺島しのぶ)は
私にそう語ってきました。
戦時中の女性の、あまりにも過酷な日常や男尊女卑の縮図、今では考えられませんが
ほんの65年前の話なのです。
寺島しのぶさん、実物はものすごく綺麗で、手足が長くて、透けるように白くて
オーラがすごかった!!
テレビの印象(気が強そうな、前面に出でくるような)と全く違い
静かで、ひたすら若松監督を立てる姿にも感動しました。
試写会に行ったのも、生の寺島しのぶ見たさだったのですが行ってよかった♪
「私は美人じゃない」とかゆーてはるけど、とにかく綺麗でした!!!!!
映画は10数人のスタッフで、12日間で撮影したとの事。これまたびっくり!
黒川久蔵役の大西信満さんの演技もすばらしかったです。
節約映画なので、四肢のない様子は、腕を後ろで縛り、足は床に隠し、そんな原始的な方法で
撮影されたようですが、四肢のない姿で鎮座している様が印象的でした。
あのシーンは、まるで絵画か写真のようだった・・・・
ラストシーンは・・・どういうことよ!!と思ってしまいました。
大きな劇場では公開予定が無いようですが、大阪ではテアトル梅田・第七藝術劇場で公開です。
終戦にこだわり、8月14日からの公開だそうです。
映画館で見る価値十分ありの映画です。